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いつかまたここで 7

Posted by 華蓮 on 09.2014 0 comments
★タクミくんシリーズ「station」華蓮的補完計画目次★

***********************




「………んっ……」
「……起こしたか?」

瞼に暖かい感触がして、ゆっくり目を開けると、
幸せそうに微笑むギイがいて、
ぼくはその顔が本当に好きで、ちゃんと笑ってるギイが見れて幸せで、

「……よかった……」
「……ん?何が?」

ちゅっ。額にキス。
ちゅっ。鼻の頭にキス。
くすくす笑いながらギイはかわいいキスの雨を降らせる。
ふふふってぼくも思わず笑っちゃうんだけど、それよりも、

「……ギイがちゃんと……笑ってる…」
「……託生……」
「ぼくは……それだけで……十分、だよ…」

ごめんね、ギイ。
なに言ってるかもうあんまりわかんないんだけど、
ぼく、本当に眠くて…。

久々に愛し合った反動はぼくに睡魔をもたらして、
もう意識が保てそうにないよ…。

だから、ぼくの言葉でギイの頬に一筋の涙が流れたことも
ぼくは知るすべはなかったんだけれど…。



翌朝、久しぶりに気持ちよく目覚めたら、
目の前に幸せそうに笑うギイがいて、

「おはよう、託生」

そう言って、唇にキスをした。

「うん…おはよう、ギイ」

ぼくもそう言って、ギイにキスをした。


「なぁ、託生。あの曲、オレの為にCMに使わせてもらえないか?」

ふと真顔に戻ったギイがそう言った。

「ギイの好きなようにしたらいいよ。あれはギイの曲だから」

そう、元からそのつもりだったから。
ギイの為になるのなら、好きなように使ってくれて構わない。

「いいのか?そんな簡単に決めて。あの曲の契約が成立したら二度とFグループには提供しないとかなんとか言ったんだろ?島岡に」
「ああ、そのこと?あの曲は笑ってるギイを思って作った曲だったんだ。だから、あの曲でCMの報酬をFグループからもらったら、ギイをお金で精算したみたいになる気がしてどうしてもイヤだって思っちゃったんだよ、ぼく。だから、著作権譲渡の相手をギイにしたんだ。それにギイならあの曲を聴いて、たぶん気づくだろうって思った。ぼくの気持ち。だから、賭けてみたんだ。譲渡の書類だけが送られてくるようなら、もうぼくの知ってるギイじゃないかもしれないから、二度と関わらないでおこうって。でも、あの曲はギイのものだから、あの曲だけはギイの為に弾こうって思ってた」
「託生……」
「だから、ギイとこうして再会できて、ギイの気持ちが確認できた今なら、ギイの為になるならぼくはなんでもするよ?だって、ぼくたち『共犯者』でしょう?」

ふふふっと笑うぼくに、ギイは目を瞬かせて、破顔一笑。

「あははははははははっ。やられた。そっかーオレってばちょー愛されてるってことだ」
「ふふふ、知らなかったの?頭いいはずなのにバカだよね、ギイって」
「あはははは、本当だよ。……まったく、いつの間にかオレを振り回す小悪魔になっちゃってオレってば、これから本当に苦労しそうだよ……」
「小悪魔?」

ぎゅっとベッドの上で抱きしめられながら言われて、小首を傾げるも、
ギイはぽんぽんっとぼくの背中をあやしながら、

「いいんだ。振り回されるのもまた楽しいものだから」
「ぼく…振り回したりしないけど……」
「自覚がないのが……また、いつもどーりっていうかなんていうか」
「えーーーなんだよ、それ。なんか赤池くんも似たようなこと言うけど…」
「やっぱりか……。はーーーーーーーーーっ。こりゃウカウカしてられないな。オレも気合いれて頑張らなきゃ。託生は絶対に誰にもやらん」
「………やらんって、そんな心配必要?ぼくはギイ以外の誰にもあげるつもりなんてないよ?」
「………………天然タラシ、最強だな」

ボソッと呟かれた言葉はぼくに聞こえることなく、
聞き取れなくて聞き返したところで、ギイは教えてくれなかった。

「……まぁ、いっか。えっと、なんの話だっけ?」
「あ、そうそう。あの曲をやっぱり使いたいって話」
「あ、そうだった。えっと、どうぞ?」
「ありがとうな。じゃ、正式な契約書作るからちゃんと確認してくれ」
「………契約書はいらない。あれはぼくの曲だけどぼくのものじゃないから」
「託生くん…契約書を見るまえに答えを出すものじゃないよ。オレがどんな契約書を作るかなんて知らないだろう?」
「………だって……」
「任せなさい。託生の気持ちはもう十分もらったから。次はオレの番だ。だから、契約書、楽しみに待ってて」
「………うん、わかった」
「今回は急な来日だったけど、次はちゃんと時間作って会いにくるから、おまえに会うために来るから、絶対浮気するなよ!」
「しないよっ!ギイこそ、金髪美人に鼻の下伸ばしたりしないでよね!」
「しねーよっ」
「………電話もしてね。無理しない程度でいいから」
「ああ。約束する」

ぎゅっとぼくを抱きしめる腕に力を込めてギイは、
その日のうちにアメリカに戻っていった。


そして、2日後、目の前にギイがいた。


「……………」
「あれ?託生くん、喜んでくれないのかな?」

にやにや笑うギイは本当に憎らしくて、
ちょっとセンチメンタルになってた自分を激しく罵りたくなってきた。
あんまりじゃないか、あんまりじゃないか、あんまりじゃないか!
なんか1ヶ月も2ヶ月も会えないかもしれない覚悟して分かれたあのホテルの朝を返せ!!ぼくの純情を返せ!!!!
なんだか本当にやりきれなくて、特大のため息が漏れた。
そうだ……ギイはこういう人種だったんだ。

「……で?今日はどうしたの?」

ホテルの控え室で演奏の準備をしながらぼくはギイに話しかけた。

「ふふふ、これ、あの時言っていた契約書。ご確認の上、ご査収くださいますか?」

ちょっとポーズをつけてうやうやしく書類を渡すもんだから、
ぼくはバイオリンケースをそのまま、書類を受け取った。

「まず、Fグループに音楽部門を設立した。そこに登録したアーティストはFグループのマネージメントを受けて仕事をしてもらうことになる。まぁ、成果報酬だが、マネージメントは音楽部門の専門スタッフがするから、登録アーティストは音楽だけに専念してもらえる。更に、技術向上に関するあらゆる支援を惜しまない」
「………ギイ……」
「……来いよ、アメリカに。留学してこい、託生」
「…………」
「そして、オレのためにバイオリンを弾いてくれ。俺の側にいてくれ」

いつか聞いたことのある言葉だった。
うん、うん。側にいるよ。ギイの為にも、ぼくの為にも。

「ギイ……」
「返事は?」

涙でギイの顔がぼやけてよく見えなくて、
でも、ギイに触れていたくて、一生懸命伸ばした手は
反対に強く引き寄せられて、そのまま抱きすくめられた。


ギイ……ギイ……ギイ……。


バカみたいにギイの名前しか出てこない。
返事しなきゃいけないのに、うんって言いたいのに、
ぜんぜん声にならなくて。

「愛してる」
「うん……うん……」
「だから、来いよ、おれのとこ」
「うん……うん……」

壊れた人形みたいに頷くことしかできないぼくに
ギイはいくつも小さなキスをしながら、ぼくが泣き止むまで抱きしめてくれていた。
ありがとう、ギイ。
ありがとう。

ようやく泣き止んだぼくにきっちり言質を取って、
更にその場で契約書にサインをさせたのはやっぱりギイだけど、
ぼくは後悔なんてしない。
ギイと一緒に歩いていく。
これからも、ずっと、どこまでも。



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